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Channel: gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
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クインテット・ファンタズム1巻の感想レビュー(ライトノベル)

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富士見ファンタジア文庫のラノベ、『クインテット・ファンタズム1 輝刃の姫君』(東出祐一郎先生原作 ワダアルコ先生イラスト)が発売中です。

表紙は、ヒロインのイミナ。
肌もあらわな美少女が大剣を振り回して戦う!というシチュエーションに心ときめきますのう(;゚∀゚)=3ムッハー

お話的には、拡張現実を利用した、武器を持った者同士がド派手でリアルな戦いを繰り広げる競技・ファンタズムが人気の世界で、かつては有力なプレイヤーだったもののとある理由で引退した少年・戌意の元に、後輩の少女・イミナが押しかけ、一緒に戦ってくれるようにお願いしてきて…というボーイ・ミーツ・ガール系ARバトル展開です。

試合中にプレイヤーが死んでしまうこともある過激さと、スポンサーによってエンターテイメント化された華やかさを併せ持つファンタズムの緻密な設定自体がまず魅力的で目を惹きますが、そこに自死症候群(アポトーシス・シンドローム)と呼ばれる自殺衝動に取り憑かれた若者たちを中心とした驚異的な自殺者人数の増加減少という要素が加わることで独特な死生観が根付いており、文字通り命懸けでファンタズムに挑むキャラクター達の行動にリアリティを与えているのが好印象でした。
姉を殺したという事実を抱えたまま見かけ上は穏やか生き続けている戌意の歪さ然り、家庭の事情に翻弄されて自死症候群に罹患してしまったイミナ然り、身近に死を意識しながら生き続ける彼らが、出会いと戦いを通じて何を見出していくのか?という強烈なテーマから目が離せませんでしたね。

精神的に老成していて、未熟なイミナを丁寧に教え導いていく戌意の姿からは、ラノベ界でも最近よく見かける教官系主人公の面影が感じられますが、自らが戦場の中心に立って無双するのではなく、適材適所に人材を配置して着実に勝利を確保するサポートタイプの立ち回り方がいぶし銀で、その玄人好みな戦いっぷりが面白かったです。
まだ本当の実力のほとんどを隠しているにも関わらず、全く負けそうな気配を感じさせないあたり、隔絶した能力差が伝わってきて鳥肌が立ちますね。
殺したいから殺すのではなく、必要であれば躊躇なく殺すことが出来る、という彼の心のあり方はとても虚無的で孤独なのですが、そんな自身の境遇を正確に理解した上で受け入れてしまっている彼の心を動かすものは何なのか?に注目して頂きたいところです。
イミナに請われ、彼女の為に戦うことを了承した戌意ですが、ああ、そういう意味で自分の為でもあったのね!と判明する終盤の演出がめっちゃカッコ良かったです(;゚∀゚)=3ムッハー

ラブコメ的には、出会う前から救われ、憧れていた状態のイミナがはじめからデレているのは当然として、彼女と同じ様に以前から戌意の事を知っていた敵方の少女・津奈戯との三角関係がドラマチックに描かれ、予想以上に愛憎渦巻く展開にハラハラさせられました。
いや、三角関係という意味では、最初から戌意と同居状態で内縁の妻オーラが出まくりのもなむと取り合うパターンなのかと思っていたのですが、懐深すぎ&熟年夫婦並みの貫禄で(・∀・)ニヤニヤ
オパーイ的な意味でお色気担当のもなむと、貧乳前衛ふたりの恋の鞘当てがどうなっていくのか楽しみですのう(*´∀`*)ポワワ

バトル的には、魔法と銃弾が飛び交う中を、自らも空を駆け剣や拳を交える“なんでもあり”な戦場なのでテンション上がりました。
全国レベルで名の知れたプレイヤー達も続々と登場する気配ですし、戌意の現役時代の因縁も盛りだくさんといった感じなので楽しみですね。
5対5のチーム戦ということで、戌意ひとりでどこまでカバー出来るのか?という問題もありますし、イミナ達自身の成長が大きな鍵を握ってくることも確実。
伏線自体はたっぷり仕込まれつつも、その内容についてはほとんど語られないという焦らしプレイが悔しい!でも、感じちゃうw
ラストの引きがまた妄想をかき立ててくれますが、最終的な戦いの果てに何を見出すことになるのか、出来れば暗黒面に囚われず、希望のある方向へ進み続けて欲しいところですね。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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