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Channel: gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
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フルメタル・パニック!アナザー1巻の感想レビュー(ライトノベル)

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富士見ファンタジア文庫のラノベ、『フルメタル・パニック!アナザー1』(原案・監修:賀東招二先生 著:大黒尚人先生 イラスト:四季童子先生)が発売中です。
フルメタ本編からのスピンアウト作品と言うことに加え、賀東先生は監修に回り、ファンタジア大賞の選考時に注目されていた大黒先生を起用したということでも話題ですね。

表紙は、メインヒロインのアデリーナ。
金髪碧眼でクールな印象の彼女ですが、劇中ではASオタだったり様々なコスプレを披露してくれたりと、意外と愛嬌のある一面も。
早くもかなめやテッサに負けないぐらいの人気を集めてくれそうで、楽しみですね。
また、その後ろには肩の日の丸が印象的な謎の新ASも描かれているわけですが、ここにも大きな仕掛けというか、とある企画が用意されていて驚かされること間違いなしかと。

お話的には、フルメタ本編から十数年後、ひょんなことから陣代高校に通う主人公の達哉と、PMC(民間軍事会社)に所属のアデリーナが出会って…というボーイ・ミーツ・ガールからスタート。
ASの制御技術を応用した土木用重機であるPS(パワー・スレイブ)の使い方に天才的なセンスを持っているとはいえ、あくまで民間人な達哉が、とある事件に巻き込まれてその才能を見出され、アデリーナのPMCにスカウトされることに…という展開です。

フルメタと言えば、学園×ラブコメ×メカアクションのイメージがあった(途中から学園要素は短編の方に集中していましたが)わけですが、今巻では学園よりもPMCでの出来事が多く描かれていたので意外でした。
また、世界各地の軍で行われる訓練や演習の仮想敵役として活動するPMCであるD.O.M.S.〈ダーナ・オシー・ミリタリー・サービス)は、命の奪い合いも辞さないプロの傭兵であった宗介達とは違い、命を守るための戦い方を教える教導部隊としての側面が強いというのも特徴的だったかと。
ある意味では、本編で宗介やかなめ達が命がけで守った世界の平和とその志が、確かにD.O.M.S.で受け継がれているのだと解釈することも出来るかと。
シリーズのファン的にグッと来るものがありますね。

類稀な操縦センスを持ちつつも、戦闘マニアではない達哉が人殺しやその他の破壊活動に忌避感を覚えるのは当然のことですが、そんな彼がどの様な困難に見舞われながら成長を遂げていくのか、今から楽しみです。
とはいえ、敵の方は常に本気なわけで、今巻でもかなり命懸けの状況になっていたりと、アクションパートは予想以上の充実ぶりでした。
年月が経過している分、本編で登場したASにも後継機のバリエーションが増えてくる様ですし、各ASの特徴について解説厨属性持ちのアデリーナが嬉しそうに解説を加えてくれるのが実に微笑ましかったです。

特に、シリーズでも思い入れのある方が多いM9と達哉の駆る機体がサシで勝負をするシーンは燃えました。
クルツやマオが載っていたM9とは色々と差異があるのですが、本編の名機の胸を借りる形でそれを乗り越えることが出来るかどうか?が描かれる後半パートのシチュエーションそのものが、書き手が変わって心機一転なこのアナザーが、オリジナルである本編に負けない人気シリーズとして受け入れられるかどうか?の試金石であるように感じられた気がします。

単純な力量や経験の差を埋めるべく、アデリーナをはじめとしたキャラ達のアドバイスを受けながら、最後まで諦めずに戦い続けようと知る達哉は、とても主人公らしくて好印象でした。
意外と負けず嫌いだったり、妹想いだったりと、普通の高校生らしい感性や素朴なやさしさを持った達哉は、基本的に常識人なわけですが、ここぞという場面ではプロも驚くような機動を見せるというギャップが爽快でかっこ良かったです。
必死に頑張っている人が見事に勝利をおさめるというカタルシス感が王道で良いですね。

また、アデリーナ以外にも、妹の由加里、ますます色っぽさに磨きをかけたマオ、そしてある意味最大の隠し玉とも言える狙撃幼女のクララ、といった感じで魅力ある女性陣が揃えられているので男性ファン必見かと。
マオはともかく、どのヒロインもかなり個性的な属性持ちになっているのがオタク心を刺激するというか…今回のメンツは濃いなとw

マオが出たということは、当然他の本編キャラも十二分に出る可能性があるでしょうし、どんな成長を遂げているのか再会が待ち遠しいですね。
イラストが本編に引き続き四季先生なのでイメージが崩れる心配もありませんし、安心して待てるのもイイ感じ。

また、賀東先生の文章に比べて大黒先生の文章はこういう感じで…みたいに詳細に語れるほど詳しくはないのですが、読み終わった時点で特に大きな違和感を感じるような事はなかったので、ファンの方は安心してゲットされると良いかと。
ファンタジアの看板タイトルですし、賀東先生や編集さんから入念にチェックが入った結果なのかも知れませんが、シリアスな部分はシリアス、コメディの部分はコメディと、それぞれのバランスがしっかりとれていて良かったです。
ここ最近のラノベ界でも、かなり特殊なデビュー形態だと思いますが、今後のプロとしてのご活躍にも注目していきたいと思います。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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