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Channel: gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
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心空管レトロアクタの感想レビュー(ライトノベル)

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富士見ファンタジア文庫のラノベ、『心空管レトロアクタ』(羽根川牧人先生原作、片倉真二先生イラスト)が発売中です。
第25回ファンタジア大賞金賞受賞作ということで話題ですね。
表紙は、主人公のクウゴとヒロインのメリナ。
剣士&銃使いという少年バトル漫画チックな組み合わせにワクワクさせられてしまいますね。

お話的には、謎の化け物“邪禍(じゃか)”によって電子機器が使えなくなり、電子の代わりに心空子を主体にした文明が築き上げられた近未来世界で、過去に大きな事件に巻き込まれて家族を失いつつも、科学者であった両親の夢・“心空管レトロアクタ”を完成させるため孤軍奮闘していたメカオタクの少年・クウゴの住む島に、それまでいなかった邪禍が出現。
折しも島を訪れていた対邪禍戦闘集団“心空騎士団”の特急機士・メリナと出逢い、それまで誰も使いこなせなかった剣型の武器・ブレイドグラフィーを使って彼女を助けた事で、クウゴの人生は大きな転機を迎えることになって…というボーイ・ミーツ・ガール展開です。

科学者志望のクウゴが、ひょんなことから戦闘部隊に組み込まれてしまうというギャップが新鮮でしたが、彼がその道へと進まざるを得なくなるまでの流れに十分な説得力があり、また、彼自身がそれを前向きに受け入れていく姿が丁寧に描かれていて好印象でした。
生来の楽天家的な性格と若さ故に無茶をしたり、悩んだりすることもありながらも、周りの人間からのアドバイスに耳を傾けつつ自分の意志で行動できる強さや、他者に対する優しさを持っているので、見ているこちらも頑張っている彼を応援したくなってきますね。

また、メリナはなかなかデレ無いツンデレタイプというか、クウゴに対してかなりそっけない、もしくは辛辣な態度を取ることが多くて、最近流行りのメインヒロイン像からは離れている的な意味で意外でしたね。
ただ、そういう態度を取るようになった理由が物語中で徐々に明かされていき、それを読むととても納得出来たので良かったです。
単純に性格が悪いとかではなく、何らかの理由で心にバリケードを張っちゃうタイプなんだろうなぁ…というのは序盤から伝わってきましたが、その理由が更に意外な繋がりを見せる終盤の展開には唸らされました。
伏線は序盤から色々小出しにされているのですが、それが回収される時になって、ああ、あそこと繋がってくるのね!という新鮮な驚きがあって良かったです。

クウゴがどんな時でも夢や希望を見続けて頑張れるタイプだとすると、メリナは何度も絶望を味わわせられながらもそれにひとりで耐え続けるタイプという感じでとても対称的なのですが、そんなふたりが共同生活の中、お互いを理解し合い、心を開いていく事で新たな真実にたどり着く…という流れが美しく、読後の満足感も高かったです。
特に、クウゴの命の恩人であるレノンの存在が、ふたりの物語を盛り上げる大きな要因になっていたのはお見事でした。
これは、心震えざるを得ない!(;゚∀゚)=3ムッハー

物語中の歴史を始めとした世界設定周りの説明もわかりやすかったですし、タイトルである“心空管レトロアクタ”とはなんぞや?という問題についても終盤できっちり明かされるので、スッキリして良かったです。
主要キャラの人となりも十分描けていたと思いますし、戦う理由や今後の方向性についてもハッキリしているので今後の展開が楽しみ。
学園モノ×近未来×異能バトル×無双という要素はやはり人気でしょうし、ハーレム化する傾向はありそうですが、あまり萌え萌え媚び媚びした感じではないので、男女問わず多くのラノベ好きにオススメ出来るかと。
個人的には、もうちょっとあざといサービスシーンがあっても良かったというか、パンチラシーンにはちゃんとイラストを付けて欲しかったなぁというのが正直なところかもw
あと、クライマックスで超必殺技的な攻撃が繰り出されている部分も、文章的に一番盛り上がっているところなので欲しかったかなと。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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