ファミ通文庫のラノベ、『覇剣の皇姫アルティーナ』(むらさきゆきや先生原作、himesuz先生イラスト)が発売中です。
表紙は主人公のレジスとヒロインのアルティーナ。
武器を持った女の子が好き!な方には、グッと来るものがあるんじゃないかと♪
お話的には、本好きであること以外取り柄がなく、軍の文官として落ちこぼれ扱いされていた主人公のレジスと、皇帝の娘でありながら「ご落胤」なので期待されず、辺境軍のお飾り司令として歯痒い生活を強いられていたアルティーナが出会って、腐敗しきった国家を立て直すべく行動を起こし始める…という、軍師系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。
ファンタジー戦記ものではありますが、魔法はなく、中世ヨーロッパ風の世界が舞台で、歩兵や騎士が戦いのメインという設定です。
主人公自身が戦って英雄や勇者に祭り上げられていくというタイプではなく、軍師としてヒロインをサポートしていくというのが大きなポイントですね。
主人公のレジスは18歳くらいですが、元々思慮深く穏やかな性格であったことに加えて、一度敗戦からの撤退戦を経験していることもあり、比較的達観しているというか、精神的に大人らしい冷静さを備えた人物という印象を受けました。
メイン読者層の中高生世代の人にとっては少し受け入れ難いような気がしないでも無いですが、軍師が根性論で戦局を打開!というのはあまり感心しませんし、極めて妥当な設定だと思います。
読書狂で、その知識を応用して軍略に生かすという設定も、ラノベ好き的にはありなのではないかとw
一方、ヒロインのアルティーナは14歳のお姫様なわけですが、事実上の皇位継承問題からは爪弾きにされた状態であり、様々な王宮特有の軋轢にさらされ、自身の希望のない未来もきちんと見据えた上で尚、前向きに立ち上がろうと野望を燃やすオトコマエな性格が好印象でした。
色事にうとかったりと、天然でウブなところも可愛らしかったです。
現状の貴族が幅を利かす政治を快く思わず、無垢な一般市民達を守るために、自ら皇帝になることを目指すというアルティーナの真摯な姿が、自分に自信を持てず、彼女への協力に躊躇いを見せるレジスの頑なな心を開いていく流れが丁寧に描かれており、『若いながらも有能な軍師が、生涯を通じて仕えるべき主君と出会う』という歴史的な一幕に相応しい内容だったと言えるかと。
お飾り司令官のアルティーナと、事実上の部隊指揮官であり武闘派の元英雄騎士ジェロームとの一騎打ちが今巻のハイライトなわけですが、単なる力比べに終わらせず、まるで映画の様な見せ場を作って盛り上げる演出が巧みで、説得力が高かったです。
日常シーンでは、言わばお約束である有能美人(時々お茶目腹黒w)なメイドキャラのクラリスとのやりとりで(・∀・)ニヤニヤ出来ますし、そのあたりは最近のライトノベルらしいニーズと読みやすさが感じられました。
いや、ぶっちゃけまだ歴史や地理的な環境部分の説明が終わったばかりという段階ですし、自分の指揮する部隊で認められるまでという範囲での物語しか描かれていないわけですが、その辺りは次巻以降でライバルとなるキャラクターが登場したり、本格的な用兵合戦が描かれてくると思うので期待したいところかと。
ゆくゆくは、皇位の継承権が上である兄弟達と直接戦ったりする可能性も高そうですし、蛮族をはじめ、外敵から民を守るための戦いも続けて行かないと!なわけですから、有能な士官を集めるなり商人たちからの信頼を得るなりといった案件を、どうレジスが捌いていくか楽しみです。
今のところは、そこまで血生臭かったり、悪逆非道な暴君が出てきたりといった悲劇的な雰囲気ではないので、ゆるやかに腐敗しつつある体制を一新したい!と夢見る若者たちの、多少青臭くも前向きな物語が読みたい方にオススメ。
気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。
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表紙は主人公のレジスとヒロインのアルティーナ。
武器を持った女の子が好き!な方には、グッと来るものがあるんじゃないかと♪
お話的には、本好きであること以外取り柄がなく、軍の文官として落ちこぼれ扱いされていた主人公のレジスと、皇帝の娘でありながら「ご落胤」なので期待されず、辺境軍のお飾り司令として歯痒い生活を強いられていたアルティーナが出会って、腐敗しきった国家を立て直すべく行動を起こし始める…という、軍師系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。
ファンタジー戦記ものではありますが、魔法はなく、中世ヨーロッパ風の世界が舞台で、歩兵や騎士が戦いのメインという設定です。
主人公自身が戦って英雄や勇者に祭り上げられていくというタイプではなく、軍師としてヒロインをサポートしていくというのが大きなポイントですね。
主人公のレジスは18歳くらいですが、元々思慮深く穏やかな性格であったことに加えて、一度敗戦からの撤退戦を経験していることもあり、比較的達観しているというか、精神的に大人らしい冷静さを備えた人物という印象を受けました。
メイン読者層の中高生世代の人にとっては少し受け入れ難いような気がしないでも無いですが、軍師が根性論で戦局を打開!というのはあまり感心しませんし、極めて妥当な設定だと思います。
読書狂で、その知識を応用して軍略に生かすという設定も、ラノベ好き的にはありなのではないかとw
一方、ヒロインのアルティーナは14歳のお姫様なわけですが、事実上の皇位継承問題からは爪弾きにされた状態であり、様々な王宮特有の軋轢にさらされ、自身の希望のない未来もきちんと見据えた上で尚、前向きに立ち上がろうと野望を燃やすオトコマエな性格が好印象でした。
色事にうとかったりと、天然でウブなところも可愛らしかったです。
現状の貴族が幅を利かす政治を快く思わず、無垢な一般市民達を守るために、自ら皇帝になることを目指すというアルティーナの真摯な姿が、自分に自信を持てず、彼女への協力に躊躇いを見せるレジスの頑なな心を開いていく流れが丁寧に描かれており、『若いながらも有能な軍師が、生涯を通じて仕えるべき主君と出会う』という歴史的な一幕に相応しい内容だったと言えるかと。
お飾り司令官のアルティーナと、事実上の部隊指揮官であり武闘派の元英雄騎士ジェロームとの一騎打ちが今巻のハイライトなわけですが、単なる力比べに終わらせず、まるで映画の様な見せ場を作って盛り上げる演出が巧みで、説得力が高かったです。
日常シーンでは、言わばお約束である有能美人(時々お茶目腹黒w)なメイドキャラのクラリスとのやりとりで(・∀・)ニヤニヤ出来ますし、そのあたりは最近のライトノベルらしいニーズと読みやすさが感じられました。
いや、ぶっちゃけまだ歴史や地理的な環境部分の説明が終わったばかりという段階ですし、自分の指揮する部隊で認められるまでという範囲での物語しか描かれていないわけですが、その辺りは次巻以降でライバルとなるキャラクターが登場したり、本格的な用兵合戦が描かれてくると思うので期待したいところかと。
ゆくゆくは、皇位の継承権が上である兄弟達と直接戦ったりする可能性も高そうですし、蛮族をはじめ、外敵から民を守るための戦いも続けて行かないと!なわけですから、有能な士官を集めるなり商人たちからの信頼を得るなりといった案件を、どうレジスが捌いていくか楽しみです。
今のところは、そこまで血生臭かったり、悪逆非道な暴君が出てきたりといった悲劇的な雰囲気ではないので、ゆるやかに腐敗しつつある体制を一新したい!と夢見る若者たちの、多少青臭くも前向きな物語が読みたい方にオススメ。
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