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Channel: gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
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魔法の材料ございます9巻の感想レビュー(ライトノベル)

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GA文庫のラノベ、『魔法の材料ございます9 ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚』(葵東先生原作、蔓木鋼音先生イラスト)が発売中です。
表紙はりんごを頬張る姿が愛らしいアーテ。
オビにある通り、今巻では自分の親戚が見つかるかも知れない!?ということで、テンションが高い彼女ですが、結果やいかに?

お話的には、大陸の遥か西側、ノーグ王国が挙兵して戦争が勃発!
刻々と不穏な空気が立ち込めていく中、アーテの親戚についての手掛かりが得られるかもしれないと知った三代目は、彼女が昔暮らしていた西方へと調査に赴くことに…という展開です。

カラー口絵では新キャラ+αの全裸に加えて、三代目の頭がどう見てもリリアーナの股間にwな膝枕があったりと、今回はお色気多めなのかな〜?と(・∀・)ニヤニヤしながら読み始めたのですが、実際には三代目も、サシャも、アーテも、予想外の精神的ダメージを被ることに!なシリアスな事件が重なって、なんとも胸が痛む展開に((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルでした。

ヴァルヘルトも倒して勢いづいていた三代目ですが、決して驕り高ぶっていたわけではなく、アーテやサシャの幸せを心から願うからこそ慎重に吟味しながら行動していたように思います。
いくら先見の明と類稀な機転とを持ち合わせているとはいえ、既に一人の人間が抱えきれない程の期待や責任を背負っている彼がミスをしたからといって、落ち度があると責め立てるのは酷な話だという気がしますが、他ではない自分自身が許せなくなってしまうというのが三代目の性なわけで。

目的意識の高さと自己責任に対するシビアさが、彼の思慮深さや誠実さを表す指標になっていることは間違いないですし、好ましいですが、連盟の代表としてや、人知れず世界を守ろうとする人間としてだけではなく、一家の大黒柱としても常に気を張っていかなければならない彼には、ガス抜きをするのも一苦労というのが現実でしょう。
もちろん、サシャやアーテに対する想いが活力になる場合も多いので、一概に否定するわけにもいかないわけですが、後悔に苛まれる三代目が長年無意識に求めていた◯◯をもたらしてくれたのが、守るべき対象であった彼女達ではなく、ともに肩を並べて戦うことを誓い合った相棒であるリリアーナであったというのは、非常に理に適っていたと思います。
支えてくれる仲間は多い三代目ですが、◯◯てくれる相手にはなかなか出会えなかったというのがほろ苦いですね。

というか、本来持っていた才能とはいえ、改めてリリアーナのスペックの高さを思い知らされる展開に興奮させられました。
サシャが居なかったら間違いなくくっついてたな♪レベルの優しさと、三代目すら凌駕する聡明さ、王族として生きる覚悟の気高さと、まさに今巻では非の打ち所が無い活躍っぷりだったかと。
ここ最近は、父親である第三王子の物凄さに驚かされっぱなしの本シリーズでしたが、あの親にしてこの娘ありでしたか!的な痛快さが胸熱w

逆に、良い所が無かったというよりは、三代目に何もさせてもらえない状況に追い込まれていたサシャは、なんともお気の毒な事になってしまいましたね。
読者視点では、今巻でもラブコメ的な意味での勝者は間違いなく彼女だろうと感じられる部分が多かったわけですが、お互いに気を使い合ってきちんと言葉にしないことのツケをまとめて払わされた&ややこしい方向へ向いたまま長引きそうなのでカワイソス(´;ω;`)ブワッ
いや、然るべきタイミングで話しあえば、すぐにでも円満解決するとは思うのですが、それとなくカイラールにきな臭いフラグが立っていたのが気掛かりです。

アーテについては、幼子に対してなんとも過酷な運命を…と言うより他無かったわけですが、もう少し分別のつく年齢であれば今回の一件で完全に心が折れていたかも知れないと考えれば不幸中の幸いだった気もしますね。
取り返しのつかない問題ですが、彼女がもっと復讐心にとりつかれてしまっていれば、今回のオチの様にはならなかったでしょうし、三代目とサシャが愛情を持って接してきたからこそ、今の彼女の成長があったとも思えるわけで。
今後も、未成熟ゆえの柔軟さと吸収力を活かす方向で、新しい長としての自覚を深めつつ、生活に必要な技能を身につけたり、来るべき戦いに向けての準備を進めていって欲しいところです。

さて、物語的には一難去ってまた一難というか、第三王子の独走態勢とも言える状況になってきたわけですが、様々な思惑が絡まりあう中、設定の掘り下げと見せかけつつもさり気なく、十分な量の伏線が仕込まれていたあたりがお見事でした。
結果を知った時点から遡って三代目が推理する場面も丁寧でわかりやすく、出し抜かれた方も出し抜いた方もどんだけ切れ者やねん!と、いっそ清々しくなるほどでしたね。
何か引っ掛けがありそうだな〜と思いつつ、口絵の少女の役どころをあっさりミスリードされていた、三代目の足元にも及ばない私が通りますよっとw
後もうちょっと考えていれば、色々と気付けた部分もあったかもしれないと思える、ヒントの出し方のバランスが絶妙でした。
いや、毎回そう思いながらも続きが気になって一気読みしてしまうのがアレですがw


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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