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Channel: gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)
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ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネーの感想レビュー(ライトノベル)

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電撃文庫のラノベ、『ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー』(三河ごーすと先生原作、切符先生イラスト)が発売中です。
第18回電撃小説大賞の銀賞受賞作品ということで、チェックされていた方も多いのではないかと思います。

表紙はメインヒロインの陽月。
その名の通り、太陽と月の魔術を操る彼女は、どこか神秘的な雰囲気がありますね。
意志の強そうな瞳にはメヂカラを強く感じますし、表紙買いの方も多そうかなと。
…更には、脱ぐと意外にスゴイのがこれまた…w ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ

お話的には、収入によって明確な格差が生まれている世界で、地下の貧民層から抜けだしたばかりの主人公ジェイファ=皿次が、まず手始めにと盗みに入った屋敷で陽月と出会い、あっさりと捕縛されてしまう&ひょんなことから『ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー』の試合に出場させられることになって…という、バトル系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。

本作の最大の見所は、やはりタイトルにもなっているウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー〈通称ダブルス・マネー)の設定と、試合での駆け引きでしょうね。
前衛の戦士と後衛の魔術師で役割分担しつつ、チームを組んで戦うというシチュエーション自体は、多作でもよく見られる光景ですが、それをエンターテインメントの一種として試合形式化&オープンに興行化したのは面白いアイデアだと思います。
個人戦ではなく、二人一組のバディ形式である事も、ふたりの意思の疎通やチームとしての駆け引きを演出として見せられる強みになりますし、ラブコメものとしても結びつきが強まる→バトルでの勝利に好影響が!という分かりやすさがあって良いですね。

戦士の能力の制御段階は経験を積むことで高まるのに対し、魔術師は肉体的な戦闘レベルは初期能力のまま舞台に上がることになる→勝敗に直結する制約を受けるものの強力な魔術を駆使して戦況を一変させられる、という設定も、術者による様々なカスタマイズが戦術として重要になってくるという面白さがあって興味深かったです。
あらかじめ公開されているお互いの魔術の相性を把握しつつ、タイミングを見極めて術式を発動!めまぐるしく入れ替わる攻防の渦中でリスクとリターンをやりとりしつつ相手の打倒を目指すというシンプルなルールですが、魔術や武装のパフォーマンスもあって、かなり派手な戦いが繰り広げられるので、手に汗握りました。

銃で撃ったり、魔術で地殻変動まで起こしたりと、普通に考えたら余裕で死ねそう→試合にならなさそうな攻撃方法まであるものの、選手の身を守る半液体金属性の安全装甲のお陰で生命維持はバッチリ!という割り切った設定が上手く機能していたかと。
だからこそ、重要キャラである木崎さんの負った痛みの深さが思いやられるところでもあるわけですが、基本的には自分で稼いだファイトマネーで自分の新たな魔術や武装を購入し、パワーアップして更に稼ぎまくる→天空高等民街をめざすという最終目標が明確で、ブレが無いのが良いですね。
(正直、タイトルの段階ではもっと資金力にモノを言わせた直接的なマネーゲームが描かれるお話なのかと思っていたわけですがw)

他人の物を奪ってでも上を目指すことにこだわり続けた皿次と、木崎さんの事件によって「奪われる哀しさ」を知ってしまい、スランプ気味な陽月が、いかにして心を通わせ、戦う意味を見つけ出していくのか?というのが物語の鍵となっているわけですが、冒頭では明かされていなかったそれぞれの過去や新事実が掘り下げられていくと共にお互いの理解が深まり、わだかまりも溶けていくという流れだったので、説得力が高かったです。
ぶっちゃけてしまうと、今作のラスボスに当たる人物については、かなり序盤から露骨に怪しさがアピールされているので、オチ部分の意外性はほとんど無かったのですが、その人物の人となりや能力自体が、ある意味主人公コンビの掘り下げに活用される事を前提として設定されていたのだと思いますし、これはこれでアリかなと。

ラブコメ的な面では、皿次が「奪うこと=正義」というポリシーの割には常識人だったこともあり、かなりの純愛路線なのが初々しくて良かったです。
陽月にしても、皿次との出会い方が悪かったから冷たい態度を取りがちだっただけで、死神の二つ名とは裏腹な純朴な娘さんなわけで。
自分が皿次に感情移入するよりも、そんな二人が少しずつ歩み寄っていくのを眺めて(・∀・)ニヤニヤするのが楽しい感じですね。
二人の間に入り込むのは、今巻の段階ですでに無理っぽいので、陽月の事は皿次にまかせて自分は木崎さんを貰って行きますねヽ(*⌒∇^)ノヤッホーイ♪
本筋を含め、木崎さんが居たからこそ話が進んだ部分も多かったですし、2巻以降でどう活躍してくれるのか楽しみです。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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